40代女性の公営住宅ライフ|低所得でも安心できる市営住宅の暮らしとリアルな現実

市営住宅のベランダで佇む女性のイラスト

公営住宅とは?市営・県営・都営住宅の違いと家賃の仕組み

公営住宅とは、所得の低い人や生活に不安を抱える人に向けて自治体が提供している住宅のことです。
運営主体によって呼び方が少し異なり、

  • 市が運営するもの → 市営住宅
  • 県が運営するもの → 県営住宅
  • 都が運営するもの → 都営住宅

と分かれています。

家賃は「収入に応じて」決まるのが特徴で、収入が減れば家賃も下がる仕組み。
また、母子家庭・高齢者・障害者世帯には優先枠や抽選の優遇があります。

公営住宅(市営住宅)の申込条件と抽選の流れ

自治体によって異なりますが、多くの場合、次のような条件があります。

  • 所得月額が15万8,000円以下(世帯構成による)
  • 単身入居の場合は、高齢者・障害者・生活保護受給者などに限定されることも
  • 年数回の募集時期に申し込み → 抽選 → 当選後に入居手続き

市営住宅に入居したきっかけと手続きの流れ(体験談)

私は離婚後、月4万円ほどのアパートで子ども2人と暮らしていました。
けれど、家計の中で一番大きな負担だったのが「住居費」でした。

このままでは貯金もできない——そう感じて、市営住宅の抽選に申し込みました。
ひとり親家庭は優先措置があり、くじ引きが2回できる制度があります。(自治体による)

申し込みから入居までは数カ月かかりましたが、無事に当選し、
現在の市営住宅に入居して7年が経ちます。

市営住宅のメリット|家賃の安さと安心感

一番のメリットは、やはり家賃の安さです。
アパート時代の約半分になり、今は3DKで家賃17,500円。
駐車場代・共益費・町費を含めても月2万円ちょっとで収まります。

同じ地域・同規模の民間アパートなら5〜6万円が相場なので、月に3〜4万円の節約効果があります。
生活費に余裕ができることで、心にも少しゆとりが生まれました。

また、同じように母子家庭や高齢の方が多く、「無理せず暮らしたい」という価値観の人が多いのも特徴です。
気を張らずに暮らせるのは、市営住宅ならではの安心感だと感じます。

市営住宅のデメリットと現実的な不便さ

もちろん、いいことばかりではありません。
私の住む団地は外国人世帯が多く、
中には騒音トラブルや警察沙汰になる人もいました。

市役所に苦情を入れても、
「注意喚起のチラシを配るだけ」で終わってしまうことも多く、
結局は我慢するしかありません。

また、生活音がかなり聞こえるのも現実です。
子育て世帯も多く、子どもの泣き声や親の怒鳴り声などが響きます。

さらに、アパート時代にはなかった
自治会の仕事・集金・掃除当番などの負担もあります。

建物も古く、エレベーターがない5階建てなので、
重い荷物を運ぶのはまるで修行のようです。

入居時も、畳のへこみ・建具の破損などが残っており、
「修繕されていないままの状態」での引き渡しでした。

お風呂はなく、自分でバランス釜と浴槽を設置(約16万円)
退去時には撤去義務もあり、費用負担は大きめです。
キッチンにも給湯設備がなく、瞬間湯沸かし器を後付けして対応するか水で我慢するしかありません。(私は水で我慢しています…)

とはいえ、騒音対策として「耳栓・イヤーマフ」を活用したり、
困ったときは「自治会」に相談するなど、工夫次第で多少は快適にできます。

一人暮らしになって見えてきたこと

子どもが巣立ち、今はこの3DKにひとり暮らし。
広さよりも静けさを感じる時間が増えました。

ふとした瞬間に「このままここで歳をとっていくのかな」と考えることもあります。
でも、便利さや新しさよりも、安心して暮らせる場所のほうが今の自分には大切です。

同じように、子どもが独立して「広すぎる部屋でひとり」という方も多いと思います。
家賃の安さは助かるけれど、孤独や不便も感じる——そんな人に共感してもらえる部分も多いかもしれません。

老後の住まいに市営住宅を選ぶメリット

市営住宅は、老後の住まいとしても有力な選択肢です。
なぜなら、

  • 所得に応じて家賃が調整される
  • 家賃の支払いに困った時の相談先がある
  • 家族の変化(子の独立など)にも柔軟に対応できる
  • 月1回の集金があるので生存確認になる

という仕組みがあるからです。

老後に公営住宅へ入る条件・注意点まとめ

  • 単身高齢者でも入居可能な自治体が増加中
  • 家賃は年金収入に合わせて再計算される
  • ただし、老朽化や建て替えで立ち退きになるケースもある

「何十年も同じ場所で暮らせる」とは限りませんが、
収入が減っても住み続けられる安心感は何ものにも代えがたいです。

まとめ|安心と不便の間で暮らすリアル

公営住宅の一人暮らしは、
決して快適とは言えませんが、「生活を守る力」があります。

安さという現実的な支えと、
古さ・不便さという現実の間で、
それでも自分のペースで暮らせる場所。

公営住宅は、低所得の単身者や老後の住まいを考える人にとって、
“終の住処”のひとつの形だと思います。

興味のある方は、「〇〇市 市営住宅 募集」で検索し、条件を確認してみてください。
意外と、あなたの街にも安心して暮らせる場所があるかもしれません。

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