【体験談】障害者雇用のメリット・デメリット|精神障害者が語る働きやすさと現実

障害者雇用で働く女性のイラスト

こんにちは。生きづらい中年女代表「ぼっち女史」です。私はパニック障害とうつ病で、精神科に通院して15年以上になります。
これまでいくつもの職場を経験してきましたが、どれも長続きせず、最初は「自分が悪い」と思っていました。

しかし、40代になり「障害者雇用」という働き方を選んだことで、ようやく心から「働きやすい」と思える環境に出会えました。

今回は「障害者雇用」について、障害者本人の視点からその特徴やメリット、デメリットを、健常者雇用と比較しながらわかりやすくまとめます。障害者雇用とは何か、どんな良いことや大変なことがあるのか、健常者雇用とどう違うのか、初めての方にもイメージしやすい内容にしました。

障害のある方やその周りの方、障害者雇用に興味がある方に、少しでも参考になれば嬉しいです!

私の体験:一般雇用では続かなかった日々

私は20代から30代前半までは、病気のことを職場に伝えず「一般枠」で働いていました。
しかし、人間関係やプレッシャーから体調を崩し、どの職場も数ヶ月で辞めてしまうことがほとんど。

30代までは転職先もすぐ見つかりましたが、40代になると書類選考で落ちることが増え、
「非正規でもダメなのか」と自信を失っていきました。

そんなとき、初めて障害者手帳を取得し、ハローワークの障害者窓口で相談。
そこで紹介された職場で、今も働いています。私の場合以下のような利点がありました。

① 病気を隠さず、安心して働ける

障害のことをオープンにしているため、出勤日数や勤務時間に柔軟に対応してもらえます。
体調が悪化したときには、長期の休みを取ることも可能でした。

「理解してもらえている」という安心感があるだけで、心の負担が全く違います。

② 周囲の理解がある職場で働ける

私の職場は障害者支援を行う事業所なので、障害に対する偏見が少なく、
他にも精神・身体・発達などさまざまな障害を持つ方が働いています。

「自分だけが特別」という感覚がなく、お互いに支え合える環境が心強いです。

③ 給料面も健常者と同じ

「障害者雇用=低賃金」というイメージを持たれがちですが、
私の職場では健常者と同じ給与体系です。

もちろん企業や業種によって差はありますが、最近では待遇が改善されている職場も増えています。

④ 無理せず長く働ける

以前は「休んだら迷惑がかかる」と無理して出勤し、悪化して辞めるの繰り返しでした。
でも今は「無理しないで」と言ってもらえる環境で、結果的に長く続けられるようになりました。

障害者雇用とは? 健常者雇用との違いは?

障害者雇用とは、障害のある人を積極的に雇い、働きやすい環境を整える取り組みのことです。日本では「障害者雇用促進法」により、従業員50人以上の企業は一定割合(2025年現在、2.5%)の障害者を雇用する義務があります。

障害の種類や程度に応じて、職場環境や業務内容を調整する「合理的配慮」(例:バリアフリー設備、柔軟な勤務時間、サポート体制)が提供されるのが特徴です。

一方、健常者雇用は、障害の有無を特に考慮せず、一般的な採用基準や業務内容で雇用されるケースを指します。合理的配慮は通常必要なく、業務内容やキャリアパスは企業や職種によって多様です。

主な違い

項目障害者雇用健常者雇用
採用の目的障害者の社会参加促進、法定雇用率の達成業務遂行や企業の目標達成
合理的配慮障害に応じた職場環境や業務調整が必要基本的に不要
業務内容障害の特性に合わせた業務(単純作業や限定職種が多い場合も)職種や役割が幅広い
キャリアパス昇進や異動の機会が限られる場合が多い昇進や転職など選択肢が広い
サポート体制専用のサポート(例:ジョブコーチ、相談窓口)が用意される場合あり一般的な人事サポートが中心

障害者雇用は、障害のある人が「自分らしく働ける」ことを重視し、法律やサポート体制で後押しされています。一方、健常者雇用は、より競争的で柔軟性が高い反面、障害者向けの特別な配慮は少ないのが実情です。

障害者雇用のメリット:障害者にとっての良いこと

障害者雇用には、障害のある人にとって独特のメリットがあります。

 1. 経済的な自立がしやすい

定期的な収入を得ることで、生活の自立が可能に。障害年金や支援に頼る割合が減り、精神的な安心感や自己肯定感が高まります。「自分で稼いだお金で趣味を楽しむ」「将来の夢に近づく」といった自由が手に入ります。  

障害の特性に合わせた柔軟な勤務形態(例:短時間勤務)が用意されやすく、身体的・精神的負担を抑えながら働ける場合があります。

 2. 社会参加の実感が得られる

職場での役割や同僚との関わりを通じて、「社会の一員として貢献している」と実感できます。孤立感が減り、仲間とのコミュニケーションが心の支えになることも。  

 3. スキルアップと成長の機会

仕事を通じて新しいスキル(例:パソコンスキル、コミュニケーション力)を学び、成長を実感できます。ジョブコーチや訓練プログラムなど、障害者向けのサポートが充実している職場も。  

 4. 自己肯定感の向上

自分の能力を活かして働くことで、「自分はできる!」という自信が芽生えます。職場での承認や達成感が、精神的な安定につながります。  

障害者雇用のデメリット:大変なことや課題

メリットがある一方で、障害者雇用には課題もあります。障害者の視点でデメリットを挙げます。

1. 職場環境が合わない場合がある

必要な合理的配慮(例:バリアフリー、休憩時間の調整)が不足していると、働きづらさを感じます。職場の理解不足や偏見によるストレスも。  

2. 期待や負担がプレッシャーに

「障害者枠」として雇われると、過度な期待や過小評価を受けることがあり、精神的な負担になる場合も。業務内容が単調で、能力を十分に発揮できないこともあります。  

3. 健康管理の難しさ

障害の特性によっては、フルタイム勤務や通勤が体力的・精神的に負担になることがあります。健康状態の変動で、継続的な就労が難しい場合も。  

4. キャリアの選択肢が限られる

業務内容が単純作業や特定の職種に限られることが多く、昇進やキャリアアップの機会が少ないと感じる場合があります。  

障害者雇用で失敗しないためのポイント

障害者雇用でメリットを活かし、デメリットを減らすには、どんなことが大切でしょうか? いくつかポイントを挙げます。

  • 自分に合った職場を選ぶ
    障害の特性や得意なことを考慮し、働きやすい職場を選びましょう。面接時に「どんなサポートがあるか」「業務内容は何か」を確認することが重要です。
  • 合理的配慮を遠慮せず求める
    必要なサポート(例:テレワーク、短時間勤務、設備の調整)を伝えることで、働きやすさがアップします。企業は法律に基づき、配慮を提供する義務があります。
  • 職場でのコミュニケーションを大切に
    障害や必要なサポートを同僚や上司に伝えることで、理解を得やすくなります。オープンに話すのが難しい場合は、信頼できる人に相談を。
  • 健康を優先して無理なく働く
    体や心の調子に合わせて、無理のないペースで働くことが長続きのコツ。健康管理を優先しましょう。

まとめ:障害者雇用は自分らしい一歩を踏み出すチャンス

障害者雇用は、経済的自立や社会参加、自己成長の機会を提供してくれる素晴らしい仕組みです。健常者雇用に比べ、合理的配慮やサポート体制が整っている一方、業務やキャリアの選択肢が限られるなどの課題もあります。でも、自分に合った職場やサポートを見つけることで、メリットを最大限に活かし、働きやすい環境を作れます。

障害のある方にとって、働くことは「自分らしい人生」を築く大きな一歩。健常者雇用とは異なる特徴がありますが、だからこそ得られる喜びや達成感もたくさんあります。障害者雇用に興味があるなら、まずはどんな仕事が自分に合うか、どんなサポートが受けられるか、調べてみませんか? あなたにぴったりの職場が、きっと見つかりますよ!

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