いやぁ、読んでしまいましたよ。Yahoo!ニュースに載ってたこちらの記事。「レストランの『1名予約』が5年で9.2倍! “おひとりさま”アフタヌーンティーが人気のワケ」ですって。
タイトルだけで華やかすぎて、私の住む築40年近い市営住宅の壁紙が急に色あせて見えたわ。40代、低所得、地方在住、もちろんおひとりさま。この四重苦ならぬ「四重奏」を奏でている私にとって、この記事はまさに「遠い親戚の、成功した美人の娘の話」を聞くような気分でした。
9.2倍の歓喜と、私の手取りの虚しさ
まず、「1名予約が5年で9.2倍に伸長した」という数字!すごい勢いですね。この数字を見て、思わず自分の手取り額を思い出してしまいました。
「手取りも9.2倍にならないかしら?」
…無理ですね。せいぜい、物価高で電気代が1.2倍になるくらいが関の山です。
記事によると、特に人気なのが「アフタヌーンティー」だとか。ザ・ペニンシュラ東京!ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル!あの豪華な三段トレイを、誰にも邪魔されず、静かに、優雅に堪能する…。想像しただけで、私の脳内のドーパミンが、普段の3倍くらい出た気がします。

しかし、冷静な私がすぐに囁きます。「おい、お前。その三段トレイに乗ってるのは、お前の1週間分の食費だぞ」と。
うちの食卓に並ぶ三段トレイといえば、せいぜい、スーパーで買った半額のお惣菜を「見栄え重視」で無理やり積み重ねた「貧乏人のアフタヌーンティーもどき」です。一段目:昨日の残りのおでん。二段目:もやし炒め。三段目:賞味期限ギリギリのパンの耳。「地元の貧困層 御用達 アフタヌーンティー(仮称)」とでも名付けましょうか。
「経済的余裕」という名の見えない壁
記事の参加者の中心は40~50代で、「自由な時間と経済的余裕があり、アクティブに動ける方」が多いという分析。
ここで、思わず熱い緑茶を吹き出しそうになりました。
「自由な時間」?…それはあります!非正規のシフトなので、急に「来週はヒマだよ」なんてことはザラです。 「アクティブ」?…それはどうでしょう。家の周りをジョギングする元気はありませんが、スーパーの特売日には、50円引きの卵を目指して、誰よりもアクティブに動きます。
しかし、「経済的余裕」!これだけは、どれだけ探しても、我が人生のクローゼットのどこにも見つかりません。
この「おひとりさま貸切DAY」の企画、価格帯は5200円から6000円の高級プランだそうです。
「有給を取って来た」という人もいたという。
有給を取って、6000円の茶菓子を食う。
私の有給の使い道といえば、
- 年に一度の人間ドック(「胃カメラ、今年も頑張ろう」)
- 確定申告(「なんで私こんなに税金払ってるの?」)
- 体調不良で這い上がれない日(「ああ、風邪薬、高い…」)
です。有給を「消費」ではなく、「投資」として、贅沢な時間に使う発想が、もう私には眩しすぎて、直視できません。
多分、私がペニンシュラに行けたとしても、緊張しすぎて優雅な作法なんて無理でしょう。きっと、フォークを落として「あわわ…」となり、サンドイッチを一口で頬張りすぎてモゴモゴし、「この三段トレイ、家に持って帰って残り食べちゃダメかしら…」と、財布の中身を気にしながら、胃薬を飲む羽目になります。優雅さゼロ。ただの「孤独な食いしん坊」と化すに違いありません。
クリスマスだって「ソロ活」で乗り切る!…でも…
「これまでカップルでの利用が定番だった『クリスマス』や『バレンタイン』にも価値観の変化が見られている」とのこと。
三井ガーデンホテル横浜みなとみらいの「クリスマスアフタヌーンティー」が、おひとりさま貸切DAYで完売したそうです。しかも平日。
都会のキラキラしたおひとりさまは、経済的余裕で、「自分だけの華やかなクリスマス」を手に入れる。

さて、地方の低所得おひとりさまのクリスマスはどうか。
私は毎年、家で「自分だけの地味なクリスマス」を楽しんでいますよ!
- メイン料理: スーパーで安くなったチキン(たまに手羽元)
- デザート: 割引シールが貼られたケーキの切れ端
- BGM: 「クリスマスの定番ソング」を流すYouTube広告の合間の無音
- ドレスコード: 部屋着(フリース素材)
そうです、私のクリスマスは、経済的な事情による「強制ソロ活」なんです!「価値観の多様化」に乗っかっているんじゃないんです!
もちろん、誰にも気兼ねせず、自由な時間を過ごせるのは良いことです。でも、これが「選択」ではなく、「結果」となると、話は別。
相席への淡い期待と、地方の現実逃避
記事で唯一、私に希望の光が差したのが、ダイヤモンド会員向けの企画での「相席」の話。過去の利用履歴などを参考に、趣味が合いそうな会員同士を相席にしているとのこと。
「同じテーブルの利用者と会話が盛り上がり連絡先を交換する方もいれば、1人で食事に集中する方もいます」
いいなぁ、これ!「おひとりさま」は、別に「孤独でいたい」わけじゃなくて、「誰かと群れるのが面倒くさいだけ」の場合が多いと思うんです。
そして、たまには、「同じ悩みを抱えた40代女性」と出会って、普段は話せない「将来の年金不安」とか「腰の痛み」とか「白髪が急に増えた話」とかを、豪華な空間で(ただし、私の分は水とおしぼり持参で)語り合いたい!
ただ、残念ながら、私が住む地域にはOZmallの「おひとりさま貸切DAY」はおろか、高級ホテルすらありません。
私の「おひとりさま相席」企画があるとすれば、それは地元のスーパーのイートインコーナーで、たまたま同じく半額弁当を食べている、見知らぬ同志と「今日は半額が少なかったですね…」と、目と目で通じ合う瞬間くらいでしょう。そして、連絡先交換の代わりに「お互い、明日も頑張りましょうね…」と心の中でエールを送り合う。これが、地方の「孤独な戦士」の交流です。
結論:おひとりさまの「光」と「陰」
この記事が示しているのは、「ソロ活」が、いよいよ「趣味」や「ブーム」から「ひとつのライフスタイル」へと定着したという事実です。これは素晴らしい進歩です。
しかし、そのライフスタイルを楽しむための「チケット」が、あまりにも経済力に偏っているという残酷な現実も突きつけられます。
都会の「おひとりさま」が光なら、私のような地方の低所得おひとりさまは、その光の届かない「陰」の部分。
でも、いいんです。私は私なりに、この陰の部分で、ひっそりと、しかし強く生きていきます。いつか、地方のスーパーのイートインコーナーで、「おひとりさま半額弁当貸切DAY」という企画が立ち上がることを夢見て。
ぼっち女史戦記 

